2014年4月7日月曜日

第2部:オープンデータを構築する

オープンデータを構築する

公的データが公開された時、それは何の為に、誰によって使用されるのだろう? 実際に起こりつつある、そしておそらく予想もされていなかった、その使用例とはどんななものだろう?第二部では、私達は複数のオープンデータの利用者、ー 起業家、自治体の世話役、公務員、そして既存の企業 ー に聞き取りを行い、そして彼ら利害関係者がオープンガバメントデータを使って何を行い、何を学んだのかについて検証した。

まずブライトスコープの共同創業者であるライアン、そしてマイク アルフレッド両氏による第6章から始めよう。彼らの物語は実はオープンデータで始まるものではなく、その前史から始まる。彼らは自分たちのビジネスを立ち上げる為に米連邦政府機関と協働し、数値データ化した政府記録の公開に取り組んだ。その過程で彼らは企業設立に成功しただけではなく、協働相手となった政府機関の中にオープンデータとの親和性の高い文化を作り出した。彼らは自身が得た教訓を公共データ活用の分野で起業を目指す起業家達と共有し、この分野に新しいスタートアップ企業が参入する際の障壁を削減する為のデータ標準化推進の重要性について論じてくれる。

第7章では、FOIAを政府改善の為の土台に変容させる為のモデルを構築したもう一つの市民スタートアップであるスマートプロキュアから話を聞くことにする。創業者のジェフリー ルーベンスタインが政府が購入したデータを、所管をまたぐ形で集約化、標準化そして数値化する事で、オープンデータが実際に政府機関同士の連携を増やし、それらの意思決定をより情報に裏打ちされたものにする一助となることについて論じている。

第8章ではシカゴのレポーターであるエリオット ラモスからジャーナリストとオープン・データとの関係について聞く。 同人はシカゴ市の新しいオープン・データ構想によって入手可能となったガバメント・データの急増が、どの様に地域ニュース取材のやり方を変え、そして新しい形式での記事執筆を可能にしつつあるかを説明してくれる。 スティーブ スパイカーはオークランド市のイノベーションを支援する組織である都市戦略評議会の調査担当ディレクターとして26年近くに亘り奉職し、しばしば政府保有データを自分たちのプロジェクトで活用してきた。

第9章では彼はオークランド市において高まったオープン・データを巡る活動が自治体のオーガナイザーやリサーチャー達のの活動にどの様な影響を与えたかについて述べ、同時に限られた範囲でのデータの開示に基づく「開かれた政府」実現への過剰に楽観的な見方に対して警鐘を鳴らしている。

最後に第10章ではオレゴン州ポートランド市のトライメット エージェンシーのビビアナ マクハが世界中の数百の行政府によって現在使用されることになったグーグル用の乗継情報の標準データ形式を開発した経験について書いている。それは公共交通機関の乗継情報を自動車運転の道順案内の様に容易に入手出来る様にするものである。彼女は人々が情報を求めて既に集まっているプラットフォームやサービスにあとからオープン・ガバメント・データを持ち込む際の官と民の間の連携の重要性について論じている。

(翻訳: 柴田重臣 (e-mail))

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